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杵屋徳衛の現代語解釈解説集

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大変お待ちどおさまでした。杵屋徳衛の現代語解釈集。次なるは昔話「浦島太郎」のお話といたしましょう。


何と歌詞に、ふりがなが付きました。しかし、画面サイズが小さくなると改行の具合で「ルビも歌詞も2行づつ」になってしまいます。その時は照らし合わせて下さい。


浦  島<うらしま>(浦島には旧と新があるが、こちらは旧浦島)


 【歌 詞】(三下り〜二上り)

 まえびき       わだ  はら なみじはる  ゆうなぎ  たつ みやこ いでしお  よ    やそ   うらしま      ひ    こいごろも

(前弾き三下り)『和田の原 波路遥かと夕凪に 龍の都を出汐の 寄するも八十の浦島が あとに引かるる恋衣

ぬ    ゆめ            の  じ うみ ふなうた  おき すさき   あま  おぶね   た  こいかぜ  ひとりこ

濡るるも夢と かぞいろに 乗り路の海の船唄や 沖の洲崎に 海女の小舟が 誰が恋風に 一人焦がれて

                           いそべはな   きそじやま  ねざ ごころ           にあが

よんやさ ゆたのたゆたのしょんがいな 磯辺離れて木曽路山 寝覚め心に たどりくる(二上りへ)

そで こずえ うつ ち     はな こい  おもかげ      ふ  く  はるかぜ かすみ う はつざくら はな いろか   うつ

袖に梢の移りが散りて 花や恋しき面影の さっと吹き来る春風に 霞が生める初桜 花の色香につい移り

ぎ   なたね ちょう つゆ とこ わす      ひよく ちょう なさけ くら あだざくら ゆきくも  みね はな    かおり

気な 菜種は蝶の露の床 忘れかねたる比翼の蝶の 情け比べん仇桜 雪か雲かと峰の花 せめて香りの

たよ        おも くら   こい ちょう そらさだ  はなぐも      しらなみ いくよ こい      なさけ    いま

便りもがなと 思い暮らして恋す蝶 空定めなき花曇り うつつ白波 幾夜か恋に なれし情けも 今では

     ひと  ね     おも                 むかしこい なみまくら

つらや 独り寝のほんに思えば さりとはさりとは 昔恋しき波枕 うたてさよ

げ   ななよ   なみじ  こ   よもぎ しま(よもぎ うら)   うらしま つ   ちぎ   かた  いえづと

実にや七世の 波路を越えて 蓬が島(蓬が浦)の 浦島が尽きぬ契りを 語る家土産

杵屋徳衛ふう現代語解釈集3【浦 島】

目をとじて耳をすませば、大海原で過ごしたあの懐かしい日々が蘇る。 乙姫様のやさしい手、しぐさ、眼差し。それは私の心をとらえ、長い間私はそのとりこであった。そして、ついつい気の遠くなるような長い年月をそこで過ごしてしまったのだ。 何時かは睦みあう日にも終わりがくることは 分かっていたけれど、ああ、こうして、本当にあの人と遠く離ればなれに なってみると、想像していたよりも遥かに辛く切ない。

 この、遣る瀬なさは、水に浮かべた船が、ゆらゆらと岸についたり離れたりするようで、どうしようもない。 春の空に舞う、蝶や花びらを見ては、乙姫様からの文は来ないかな、と思ったり、竜宮城での生活を思い出したりして、益々思いは募るばかり。 困ったものだ。姫と私を繋ぐものはたった一つ。土産にもらった、この玉手箱。 そうだ!これを開けてしまおう。 愛しい姫が私にくれたものが何なのか見てみたい。

…さて、この曲はご存知「浦島太郎」を題 材にしていますが、昔話とは 多少違いまして、恋人の乙姫様と遠く離れて しまった、漁師の太郎の、 凄まじいまでに恋いこがれる様子が芝居そのま まに描かれます。現代に も通じる恋愛ドラマでお聞きください。


・・・・・次回乞う御期待・・・・・

そして、このページは熱心に勉強しているうちにどんどんと深みにはまってゆくのでした。

……つづく

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