言わせとくえ〜の目次経由

言わせとくえ〜の?【どこか似ていたゴルフと三味線】

←ここに書いてある文字↓

『←ターフのつもり。ボールは飛んで行っちゃって見えない。』と書いてある。

 仕事柄、忙しければ忙しいほど座っている時間が長くなり、身体の大きい割りには足腰が弱く、何かスポーツでもしなくてはと始めたのがゴルフでした。ところが、あの耳掻きの親分のような棒切れで、玉っころをひっぱたくだけなのに、何ともままならないものです。

 ご他聞に漏れず私道でぱこんぱこんと打っていましたら、お向かいのご主人が出ていらして「一緒にコースに行きませんか ?」と言うことになりました。そんなことで、そのご主人のホームコース、「鶴ヶ島カントリークラブ」で初めてのコース体験をしましたのが、かれこれ20年ほど前のことです。 その後不勉強で、腕前の方は一向に上がりませんが、その折に『あー!ゴルフって芸と同じなんだなー』とひたすら感じ入り、練習場で教わった基本のみを思いだし、「ワン・ツー・スリー」と必死になって、いくつ打ったかの勘定そこのけで、一生懸命に楽しみました。

何が芸と同じに感じたかですが、

   1.兎に角にも、非常にメンタルなこと。

   2.しっかりした基本が大切だと言うこと。

   3.常日頃の練習とその積み方が、もろにあらわれること。

 そうした点が、スポーツでも音楽でも同じなのは、とても興味がありました。 「2」と「3」については、人間が具象化することですので、一般的にも尤もと思われますが、特に「1」については感慨も一入でした。

 舞台で演奏する際に、大勢のお客様に感動してもらいたいと思ったり、また「ここ一番かっこよく決めたい」などと言う余計な思いが強ければ強いほど、そうした『欲』を捨て、謙虚に『今まで練習してきたこと、持てる技量の全てを出して』真摯 に立ち向かうわなくてはなりません。この場合で言う「欲」は良い意味としての言葉ですが、この「欲」が有れば有るほど「欲」を出してはいけないと言う、これはもう大変!「言うはやすし・行なうは難し」の部類です。

 言い換えますと、「ゴルフも三味線も、上手にプレイしたければしたいほど、上手にプレイしようと思ってはいけない」と言う、訳のわからないことです。

 上手くしようと意識すると、身体のどこかの筋に力が入ったりして思わぬミスを引き出します。欲を出すなと言っても、自信は持たなくてはいけません。堂々と、然し傲慢になってはいけません。ただその「慢心せずに自信を持つこと」も、紙一重のことで至難の技です。

 ゴルフでも舞台演奏でも、堂々と立派なプレイと、傲慢なプレイとでは、鑑賞した後の感激に大きな開きがあります。

 まるで「こんにゃく問答」みたいですが、『無欲の欲』を欲するとき、心理状態をどう持ったら良いのかのコツは、沢山の舞台を経ているうちに、後から思い当たることがあります。  いつもそのような状態になれば良いのにと願っておりますが、そこが凡人の悲しいところでしょうか。欲を出して大失敗したことや、無心に演奏して感動してもらえた経験が幾つかありますが、それはまたの機会にでもお話出来ればと存じます。