言わせとくえ〜2
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☆日本人よ、どこへ行く?

 私は怒っております、なすすべもなく。文部省が「小学生から英語を教える」という話を発表したからです。

 それがひいては日本文化を作り上げた日本人による右脳発想の育成を妨げ、西洋人の左脳発想のみを良しとする風潮に向かってひたすら歩いていくことにつながるのに、お偉い方々は気がつきません。

 国際社会と言う、一見開けている考えと思えそうな意見が多く報道され、それに対して無防備に受け入れてしまう国民性。あたかもすばらしい事で有ると錯覚させられてしまう悲しい性。人と違う考え方を排斥してしまう風潮。少数意見が一瞥だにされない現代。

 その報道に接した時、とっさに浮かんだのは「へーー! フランスでは小学校の子供全員が英語を話すんだあ!」「ドイツでもイタリアでも中国でも、みいいいんな小学生が英語を喋るんだあ!!!!!」と言う感想でした。

 もしかするとアメリカ人も米語でなく、英語で話しているのかなあ。

 まあこれは似たようなものだろうから良いとして、どうして現在の10年間にも亙る無駄とも思えるような教育方法の検討を考えないで、いきなり"小学生から英語教育"なのでしょうか????!!

 巷での○○○英会話なる仇花(一方の見方をすると)が駅前の一当地にわんさかとビルディングで経営出来るほど繁栄してしまう、英語教育の不完全を反省しないで、いきなりの"小学生英語"ナノデスカ!

 民族の発想と大きくかかわりがある語彙(ゴイ)の豊富な日本語を覚えずに、そうした左脳教育だけを詰め込むことには断じて反対です。もちろん英語ができたらかっこいいと思いますけれど(このページの英語版もわけなく出来るのですが)、全国民みんな必要なのか疑問です。

 ただでさえ少なくなってしまった日本語(昔から使ってきた味わい豊かな言葉がどんどん消えている)がますます味気なくなってしまいます。

 私が「長唄」という古文に多く接しているから思うことなのかは分かりません。しかし、品格や美的感性の微妙な言い回しや言葉が山ほど埋もれているというのに…。流行語ばかりを追うことが若い間の美などと勘違いしないで、歴史から学ぶ価値観も育ててほしい。

 ですから、英語の前に、日本語の教育を家庭ともに学校でもやってもらいたいものです。

 こんな調子だと、やがて英語の先の行く手には、子供たちの会話が

Aさん「11001000111001101110101110001110」

Bさん「111100001011100」

二人「ワハハハハア」

 なーんてコワーイことにならなければ良いと思っているのは私だけなのでしょうか。

          後援会通信《三味三昧》いわせとくえ〜より             杵屋徳衛  
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